【5月19日 AFP】(写真追加)女性のスポーツを厳しく制限しているサウジアラビア(Saudi Arabia)のラハ・ムハラク(Raha Moharrak)さん(25)が18日、世界最高峰エベレスト(Everest、8848メートル)の登頂に成功した。

 エベレストのベースキャンプにいるネパール観光省当局者が19日、AFPに明らかにしたところによると、ラハさんは18日午前、外国人登山家とネパール人ガイドら12人とともにエベレスト山頂に到達したという。

 父親のハッサン・ムハラク(Hassan Muharraq)さんは、ラハさんは家族と連絡を取れる状態にあり、非常に疲れたため休憩中だと述べ、「娘は喜んでいるし、わたしたち家族も娘が登頂に成功してとてもうれしい。容易には達成できないことだ」とコメントした。

 ラハさんはアラブ首長国連邦(UAE)のシャルジャ大学(University of Sharjah)の卒業生。4月3日にサウジのジッダ(Jeddah)市内の自宅を出発し、厳しいトレーニングを受けてから登山を開始した。 「Arabs with Altitude」と銘打たれた今回の登山は、ネパールの教育チャリティーの資金集めを目的に行われたもの。

 ラハさんはエベレストに先立ち、七大陸最高峰の欧州とタンザニア、南極、アルゼンチンの山を制している。ハッサンさんは、「人間は困難を克服できると娘は信じていた。固い決意と自制心があれば人間は困難に耐えられると証明するのが娘の夢だった」と語った。

 イスラムの教えを厳格に実行し、男性と女性を分離しているサウジだが、今月には私立学校を対象に女子学生のスポーツを条件付きで認めた。昨年は国際スポーツ団体からの圧力を受けて女子選手2人をロンドン五輪に派遣した。(c)AFP