【5月11日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)の元スター選手デニス・ロッドマン(Dennis Rodman)氏(51)が10日、北朝鮮当局に拘束されている韓国系米国人の解放を北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記に友人として頼むべく、2度目の訪朝を計画しているとテレビインタビューで語った。

 バスケットボール界のレジェンドであるロッドマン氏は9日、米ロサンゼルス(Los Angeles)市内で歩いていたところを米芸能情報サイト「TMZ.com」にキャッチされ、昨年11月に北朝鮮当局に身柄を拘束された米国人ケネス・ペ(Kenneth Bae、韓国名:ペ・ジュンホ、Pae Jun-Ho)さんの解放を訴える任務を遂行するため、8月1日に再び北朝鮮を訪問するとコメントした。

 体中に入ったタトゥーが目を引くロッドマン氏は、集まったファンに手を振りながら、「またあそこに行くよ。あの人を出してあげなきゃ。ただ、彼の国籍や背景を考えるとすごく難しいことだと思う。置かれている状況がまったく違うからね」と話し、韓国系であることが北朝鮮当局の捜査網にかかったとの見解を示した。

 選手時代は「ワーム(Worm)」の愛称で親しまれていたロッドマン氏は、この件について米国当局と協議したわけではない。金第1書記との関係についてロッドマン氏は、「俺は政治活動はしない。以前も言ったが、彼とはただの友達だ」と説明している。

 ロッドマン氏は2月に訪朝した際、金第1書記と面会した米国で唯一の著名人となり、滞在中は平壌(Pyongyang)で行われたバスケットボールの試合を揃って観戦するなどして過ごした。以来ロッドマン氏は20代の若さで一国の最高指導者となった金第1書記を褒め称え、「生涯の友人」と呼んでいる。

 米国内ではロッドマン氏の訪朝に対して多くの有識者から批判的な声が挙がっており、これを受けてロッドマン氏はすでにツイッター(Twitter)を通してペさんの解放を主張している。ペさんは5月頭に北朝鮮当局から15年の労働教化刑を言い渡されている。

 かつてシカゴ・ブルズ(Chicago Bulls)で活躍したロッドマン氏は自身の訪朝を自己弁護し、北朝鮮に対して核開発計画を中止して国際社会の納得を得ない限り、制裁の手を緩めないとするバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領を非難する姿勢も見せている。(c)AFP