【5月10日 AFP】中国からの報道によると、中国で最も有名な映画監督の1人、チャン・イーモウ(張芸謀、Zhang Yimou)監督が「一人っ子政策」に反して7人の子供をもうけ、当局から罰金2600万ドル(約26億円)を科せられる可能性があるという。

 チャン監督は『紅いコーリャン(Red Sorghum)』や『初恋のきた道(THE ROAD HOME)』などの映画作品で知られ、『HERO(英雄)』『LOVERS(House of Flying Daggers)』といった武術アクション映画は大ヒットを記録した。最新作は、1937年の南京虐殺を描いた『ザ・フラワーズ・オブ・ウォー(The Flowers of War)』で、英俳優クリスチャン・ベイル(Christian Bale)が主演している。

 チャン監督の初期の作品の多くは中国国内では上映が禁止されたが、その後は中国当局と近い関係となり、2008年の北京五輪では開会式の演出を任されるに至った。

 ところが人民日報(People's Daily)電子版は9日、チャン監督が「一人っ子政策」に違反した疑いで、東部・無錫(Wuxi)の家族計画当局から取り調べを受けていると報じた。チャン監督には少なくとも7人の子供がおり、1億6000万元(約26億円)の罰金が科せられる見通しだという。子供たちの出生場所は不明。

 一方、国営環球時報(Global Times)」は、あるウェブサイトへの「投稿コメント」としてチャン監督は複数の女性と関係を持っていると伝えている。

 一人っ子政策に違反した場合の罰金額は、違反者の収入と子供の数によって決められる。中国政府は30年以上前から、都市部を中心に厳格な一人っ子政策を導入しているが、最近では政策が緩和されるとの見方も出ていた。(c)AFP