【5月9日 senken h】世界中にたくさんの人々が暮らす中、誰かと出会い、そして時空間を共有するというのはどこかミラクルな気分を抱いたりもする。今回はさまざまな出会いをキーワードに、3作品をピックアップしてみた。

■『ふたりのイームズ 建築家チャールズと画家レイ』
 かの有名なイームズ・チェアをはじめ、ミッドセンチュリー・モダンを代表するアーティストがそのまま登場する、いまだかつてないドキュメンタリー「ふたりのイームズ 建築家チャールズと画家レイ」。夫妻とともに働いた経験を持つスタッフの証言ほか、数々の知られざるエピソードに出合える本作は、とりわけデザインに関心がある者にとっては教材的価値も十分ありそうな、多くの発見と感動をもたらす内容だ。一方、公私にわたりベストパートナーであり続けた夫妻の素顔に迫るパートでは、胸に迫る思いが過ぎるかも。

■『愛さえあれば』
時として迷い込んでしまう人生のラビリンス。その脱出方法は人によってさまざまだが、必ず出口は見つかるものだ。愛する娘と息子の結婚式を軸に展開するデンマーク生まれのラブコメディ「愛さえあれば」。主人公は新婦の母と新郎の父。車の衝突事故が出会いの現場となる彼らは、それぞれ埋められない心の空洞も伴って、当初バトルめいた空気感が漂う。だが、互いの人生の共通項「レモン」をきっかけに、その関係はゆるやかに好転していく。実生活でも妻との死別を体験した名優、ピアース・ブロスナンが父役を好演。監督はデンマーク映画界を代表するスサンネ・ピア。

■『きっと、うまくいく』
 世界1の製作本数を誇る映画大国「ボリウッド」ことインドで、歴代興行収入NO.1に輝いた「きっと、うまくいく」は、スピルバーグ監督を筆頭に世界各地で絶賛を浴びる、約3時間の青春エンターテインメント。スカッとうれしいエンディングが待ち受ける本作。インドの未来を担うエリート校を舞台に、学生寮で運命的な出会いをする個性豊かな「オバカトリオ」のスクールライフ、そして10年後を描く。インド映画必須の9つの感情「ナヴァ・ラサ」(恋、笑い、悲しみ、怒り、勇猛さ、恐怖、憎悪、驚き、平安)が味わいのスパイスに。本作のタイトルはいつまでも心の奥でエコーしそう。(c)senken h / text:宇佐美浩子

【関連情報】
『ふたりのイームズ 建築家チャールズと画家レイ』 公式サイト<外部サイト>
『愛さえあれば』 公式サイト<外部サイト>
『きっと、うまくいく』 公式サイト<外部サイト>