【5月8日 AFP】米オハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)市で約10年間にわたって監禁されていた女性3人が6日に保護された事件が注目を集めている。しかし、同様の事件は過去にもたびたび発生している。それぞれの事件の概要を紹介する。

・米国――2009年8月26日に発覚・保護

 1991年6月、米カリフォルニア(California)州のサウス・レイク・タホー(South Lake Tahoe)にある自宅から学校に向かう途中だったジェイシー・デュガード(Jaycee Dugard)さん(当時11歳)が、仮釈放中だったフィリップ・ガリドー(Phillip Garrido)受刑者と妻のナンシー・ガリドー(Nancy Garrido)受刑者に誘拐された。デュガードさんは、監禁されていた18年間に繰り返し強姦(ごうかん)され、ガリドー受刑者の子供2人を出産した。

 2009年8月、仮釈放中だったガリドー受刑者の保護観察官が疑いを持ったことで事件が発覚。ガリドー夫妻はともに終身刑となった。

・オーストリア――2006年8月23日に脱出

 ナターシャ・カンプシュ (Natascha Kampusch)さん(当時10歳)が、オーストリア・ウィーン(Vienna)近郊のシュトラスホーフ(Strasshof)で登校途中、通信技術者のウォルフガング・プリクロピル(Wolfgang Priklopil)容疑者に誘拐され、自宅の地下室に8年間、監禁された。

 カンプシュさんは2006年に自力で脱出。プリクロピル容疑者はカンプシュさんが逃げ出した日の夜に列車に飛び込み、自殺した。

・オーストリア――2008年4月に発覚・保護

 エリザベス・フリッツル(Elisabeth Fritzl)さんは24年間にわたり、実の父親であるヨーゼフ・フリッツル (Josef Fritzl)受刑者によってオーストリアの首都ウィーン(Vienna)の西100キロメートルほどにあるアムシュテッテン(Amstetten)の自宅地下室に監禁され、繰り返し強姦(ごうかん)された。エリザベスさんは、父親の子供を7人出産した。

 子供のうちの1人が病気になり、入院が必要になったことで事件が発覚。 エリザベスさんが産んだ子供1人について殺人罪に問われたヨーゼフ受刑者には2009年、近親相姦、隔離、重暴行罪、3000回に及ぶ強姦の罪で終身刑が下された。

・イタリア――2008年6月に発見・保護

 イタリア・ナポリ (Naples)の北にあるサンタ・マリア・カプア・ヴェーテレ(Santa aria Capua Vetere)郊外で、この家に住む家族によって監禁されていたマリア・モナコ(Maria Monaco)さん(47)さんが18年ぶりに発見された。警察によると、マリアさんは「恐ろしい衛生状態」の中で生活していた。

 マリアさんは1990年に妊娠したが、子供の父親の名前を明かさなかったため、家族に監禁されていた。

・日本――2000年1月に発覚・保護

 1990年11月に誘拐された日本の小学生の女児(当時9歳)が、9年間にわたって犯人の自宅の2階に監禁された末、新潟県柏崎市で発見・保護された。

 犯人の男の母親が保健所に連絡し、職員が訪問したことで発見された。保護時、被害者は19歳になっていた。犯人は2003年、懲役14年の有罪判決を受けている。(c)AFP