【5月2日 AFP】(写真追加)生まれつき気管がなかった2歳の女児が、自分の幹細胞と合成樹脂繊維で作った人工気管の移植手術を受けた。この女児は自発呼吸、会話、嚥下、飲食などができず、これまで韓国・ソウル(Seoul)の集中治療室で、経管栄養を受け過ごしてきた。
 
 韓国人とカナダ人の両親の間に生まれたハナ・ウォレン(Hannah Warren)ちゃんの命を救う手術は米国で、国際医療チームにより、9時間にわたって行われた。人工臓器移植例としては、史上最年少。

 移植された気管はドナーからの提供を受けたものではなく、ハナちゃん自身の骨髄の幹細胞を使って作ったものであるため、移植によって免疫系が拒絶反応を示す可能性は低い。医師団は数か月のうちにハナちゃんは退院して普通の生活を送れるだろうと話している。

 医師団の責任者、スウェーデン・カロリンスカ研究所(Karolinska Institutet)のパオロ・マキアリーニ(Paolo Macchiarini)医師は、「最も驚くべきことは、移植が彼女の命を救っただけでなく、最終的には飲食、嚥下、会話すらもできるようになることだ」と話した。(c)AFP