【5月2日 AFP】オランダのベアトリックス(Beatrix)女王は在位33年で退位し、ウィレム・アレクサンダー(Willem-Alexander)新国王が王位を継承した。

 オランダには退位の歴史がある。ベアトリックス女王は1980年4月30日、母のユリアナ(Juliana)女王が71歳の誕生日に退位したことを受けて即位した。そしてユリアナ女王もまた、1948年9月に母のウィルヘルミナ(Wilhelmina)女王の退位を受けて女王となっていた。

 以下に世界各国の過去1世紀における主な退位を列挙する。

■英国 エドワード8世

 エドワード8世(Edward VIII)は離婚歴のある米国人女性ウォリス・シンプソン(Wallis Simpson)と結婚するため、即位から1年に満たない1936年12月12日、立憲君主制の危機を回避するため退位に追い込まれた。弟のアルバート(Albert)王子が王位を継承し、1937年5月、ジョージ6世(George VI)として即位した。ジョージ6世は、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の父親にあたる。

■ルーマニア ミハイ1世

 1947年12月、ミハイ1世(Michael I)は共産党により退位を強いられ、退位数か月後に亡命した。

■イタリア ビットリオ・エマヌエレ3世

 1946年5月9日、1900年にイタリア王に即位したビットリオ・エマヌエレ3世(Victor-Emmanuel III)は、独裁者ベニト・ムソリーニ(Benito Mussolini)のファシスト党政権に協力したことを理由に退位した。息子のウンベルト2世(Umberto II)は同年6月、共和国建国の国民投票を受けて亡命した。

■ベルギー レオポルド3世

 1934年に即位したベルギー王のレオポルド3世(Leopold III)は第2次世界大戦(World War II)中の行動で論争を呼び、1951年7月16日、大規模な民衆蜂起を防ぐため、息子のボードワン1世(Baudouin I)に譲位した。

■エジプト ファルーク1世

 1952年7月、在位16年目のエジプト国王ファルーク1世(Farouk I)はガマル・アブドゥル・ナセル(Gamal Abdul Nasser)中佐率いる軍事クーデターを受けて退位した。息子のフアード2世(Fuad II)が王位を継承したものの、1年もたたない1953年6月の共和制移行により、先に国外に逃れていた家族の元へ亡命した。

■ルクセンブルク ジャン大公

 2000年10月7日、ルクセンブルクのジャン大公(Grand Duke Jean)は在位36年で退位し、息子のアンリ(Henri)に譲位した。ジャン大公もまた、母親のシャルロット女大公(Grand Duchess Charlotte)の退位を受けて1964年に即位していた。

■カンボジア シアヌーク国王

 2004年10月7日、カンボジアのノロドム・シアヌーク(Norodom Sihanouk)国王は、中国・北京(Beijing)でがんの治療を受けた後、退位した。シアヌーク国王は1941年に即位したものの、55年に退位。その後立憲君主制のもとで1993年に再び国王に即位した。憲法評議会は、新国王としてシアヌーク国王の子どもの一人、ノロドム・シハモニ(Norodom Sihamoni)王子を新国王に選出した。 (c)AFP