【5月1日 AFP】バングラデシュの首都ダッカ(Dhaka)近郊サバール(Savar)で4月24日、縫製工場などが入るビルが崩壊し、少なくとも388人が死亡した事故の直後、国連(UN)などが生存者捜索のため専門家による支援提供を申し出ていたことが明らかになった。しかしバングラデシュ政府はその支援の受け入れを断っており、その判断について30日、内務省高官が釈明した。

 内務省のムスタク・アハメド(Mustak Ahmed)氏はAFPに対し、英国をはじめ国外からの支援の申し出について政府は「感謝している」としながらも、「国内の救援活動で十分で、しっかりやっていたため、外国からの支援が直ちに必要とは感じなかった」と語った。

 一方、国連の人道支援顧問で同国に駐在するジェルソン・ブランダオ(Gerson Brandao)氏は、24日朝の事故発生から数時間のうちにシンガポールとアラブ首長国連邦のアブダビ(Abu Dhabi)に拠点を置く緊急災害チームに出動準備を整えさせていたという。ブランダオ氏がAFPに語ったところによると、この緊急災害チームは「専門家グループで、捜索犬や超小型カメラをはじめ、われわれがバングラデシュ国内では持っていない装備を持っていた」という。

 しかし同国軍が事故現場に捜索犬を初めて導入したのは、がれき除去を開始するためのクレーンなどの重機が持ち込まれたのと同じ、30日になってからだった。同国史上最悪の労災となった今回の事故による死者が増え続けている中、政府の事故対応の不備と、政府の監督が不十分だったことに対する非難と怒りの声が上がっている。(c)AFP/Shafiq Alam