【4月30日 AFP】オリーブオイルを豊富に摂取する「地中海式ダイエット」が、高齢になってからの記憶障害のリスクを低下させるとする報告が29日、米国神経学会(American Academy of Neurology)の学会誌「ニューロロジー(Neurology)」に掲載された。

 この種の研究としては過去最大のもので、黒人系と白人系の米国人1万7478人の食事に関する情報に基づいた。対象者の平均年齢は64歳だった。
 
 この中で「地中海式ダイエット」風の食事習慣を持つ健康的な人たちでは、そうした食事習慣がない人たちに比べ、思考や記憶に関する問題が生じる可能性が19%低かった。黒人と白人で認識機能の低下に大きな差異はなかった。

 アラバマ大学バーミングハム校(University of Alabama)とギリシャ・アテネ大学(University of Athens)に所属するGeorgios Tsivgoulis博士は「人生晩年の認知機能維持に役立つことの中で、食事は重要で(自分で)変更可能な行動だ」と述べている。ただし、晩年の精神機能を左右する鍵となる生活習慣の中の一つに過ぎないとも付け加えている。
 
 中でも糖尿病患者には、オメガ3脂肪酸が豊富な地中海式ダイエットは効果がなく「運動、肥満予防、禁煙、さらに糖尿病や高血圧に薬物治療を行うことが大事だ」という。(c)AFP