【4月29日 AFP】韓国統一省は29日、南北共同事業の開城(Kaesong)工業団地からの全従業員の撤収を同日中に完了する予定と発表した。

 韓国統一省報道官は「北朝鮮側に本日中の50人の帰還を通知したが、北朝鮮側からの了承はまだ受け取っていない」と記者団に語った。27日の従業員撤収の際も、出発予定時間の30分前になってようやく北朝鮮側から了承が得られたという。

 開城工業団地は北朝鮮の重要な収入源で、南北間の最後の接点となっていた。だが、韓国政府は26日、北朝鮮が同団地への韓国側からの出入りを禁止し、操業再開に向けた話し合いへの呼び掛けを拒否したことを受け、全従業員の撤収を決めたと発表していた。

 27日には従業員ら126人が複数の車両に備品や材料を載せて韓国側に戻り、開城工業団地で働いていた従業員は突然の退避に驚いていると語っていた。現在は工業団地を管理していた公務員や電気通信、電力関係の技術者ら約50人が工業団地に残っているが、韓国政府によると、この50人も現地時間29日午後5時ごろ(日本時間同)に韓国側に戻る予定となっている。(c)AFP/Jung Ha-Won