【4月26日 AFP】英国競馬統括機構(British Horseracing Authority、BHA)は24日、アラブ首長国連邦(UAE)の競走馬管理組織、ゴドルフィン(Godolphin Racing Inc)のマームード・アル・ザルーニ(Mahmood Al Zarooni)調教師に対し、ドーピングを行っていたとして8年間の資格停止処分を下した。

 英国東部のニューマーケット(Newmarket)にあるゴドルフィンの厩舎(きゅうしゃ)で、UAEのムハンマド・ビン・ラシド・マクトム(Mohammed bin Rashid Al-Maktoum)首相兼副大統領が所有する11頭の競走馬から筋肉増強剤アナボリックステロイド(anabolic steroid)の陽性反応が出たため、ザルーニ氏は英ロンドンのBHA本部で行われた懲戒委員会で処分を受けた。

 BHAはツイッター(Twitter)で「懲戒委員会による聴取が行われた後、マームード・アル・ザルーニ氏には8年間の資格停止処分が科された」と発表している。

 今月上旬、ザルーニ氏が調教を担当していた競走馬45頭からサンプルを採取したところ、11頭から禁止薬物が検出された。ザルーニ氏は24日に禁止薬物の使用、投薬記載義務、およびレースに損害を与えたとして24日にBHAに告発された。

 懲罰審議会に姿を現したザルーニ氏は、多くの報道陣に囲まれながらも記者からの質問にはノーコメントを貫いたが、処分決定後に自らの行動を謝罪した。

「まず、ムハンマド・ビン・ラシド・マクトム氏をはじめとするゴドルフィンの関係者の皆さま、そして世間の皆さまにおわび申し上げます」

「英国での禁止薬物の使用について、規則に順守する責任が私にあったことを認めます。私は最悪の過ちを犯しました。弁解の余地はありません」

 競馬界の代表的な存在であるムハンマド・ビン・ラシド・マクトム氏は、近年最大のドーピングスキャンダルとなったこの事態に激怒しているとされ、ゴドルフィンの厩舎を閉鎖して組織内部の徹底調査を命じた。(c)AFP