【4月24日 AFP】米ボーイング(Boeing)の787型旅客機「ドリームライナー(Dreamliner)」のバッテリー発火問題を調査している米国家運輸安全委員会(National Transportation Safety BoardNTSB)は23日、問題の原因はいまだに不明だと述べた。

 同委員会は同日、問題を起こした同機の先駆的なリチウムイオン電池システムがどのように設計され、使用認可を得たのかを2日間にわたり検証する公聴会を開始。デビー・ハースマン(Debbie Hersman)委員長は公聴会1日目の終了にあたり、この問題に関する新たな情報が得られたとしつつも、1月に起きたバッテリーの発火や発煙の原因はいまだにはっきりしていないと述べた。一方で、FAAがボーイング社に大きく頼っている初期試験が不十分だったことは明らかだとも指摘している。

 FAAは19日、ボーイングのバッテリー改良策を承認し、最新技術を誇る次世代旅客機の運航再開に向けて大きな一歩を踏み出した。23日には、欧州航空安全局(European Aviation Safety AgencyEASA)も改良されたバッテリーシステムを承認。日本の規制当局も、運航再開許可の最終判断を、早ければ今週中にも下すと発表した。

 改良バッテリーのFAAによる承認を受けて、787型機を最多運航する全日空(All Nippon AirwaysANA)、そして日本航空(Japan AirlinesJAL)の両社は、バッテリーシステムの交換作業を開始している。ANAはこの作業に最長で2か月かかるとしており、6月の運航再開を視野に入れている。一方のJALは、運航再開のめどを明らかにしていない。(c)AFP/Veronica Smith