【4月23日 AFP】中国は最近のワインブームの影響でボルドーワインの最大輸入国となった。その中国に、欧州のチーズ業界が注目している。中国の消費者が赤ワインと一緒にチーズを楽しむようになるとの期待が高まっているのだ。

 香港(Hong Kong)で18日から21日まで開催された国際チーズフェスティバルには、欧州のチーズ製造大手などが集結。会場には120種もの高品質チーズが展示され、ワインとチーズの組み合わせなどをプロから教わるマスタークラスも開かれた。

 乳製品は中国の伝統的な食べ物ではないが、チーズは単なる西洋の貯蔵食料ではない。フランスの一流チーズ熟成士フィリップ・マルシャン(Philippe Marchand)氏はこう話す。

 マルシャン氏はAFPに「チーズは古代からあることを知るべき。中国にチーズが存在した形跡もある。チーズは単にフランスやオランダ、イタリアの食べ物ではなく、世界共通の美味だ」と話した。マルシャン氏は自身のチーズを輸入している日本から着想を得て、わさびの辛みが効いた山羊のフレッシュチーズを創作した。

 スコットランドの酪農場「バーウェイズ・デイリー(Barwheys Dairy)」の創設者、トリシア・ベイ(Tricia Bey)氏は「アジアの人々はあらゆる種類のチーズに対して先入観がなく、高い関心を持っていることが分かった」と話し、「欧州では、それぞれの伝統に縛られているため、人々のチーズの好みがもっとはっきりしている。ある意味で、アジアは私たちにとって、よりチャンスのある市場かもしれない」と述べた。

 過去10年にワイン文化が浸透した流れで、中国が今後、世界有数のチーズ消費・輸入国になることを、欧州のチーズ業界は期待している。2012年の中国(香港を含む)のフランス産ワイン消費量は、米国と英国に次いで世界3位だった。専門家は、今後20年以内に中国が米国を抜き、世界最大のワイン消費国になると予想している。 (c)AFP