【4月22日 AFP】オーストラリア北部でワニに襲われ、頭部をかまれたフランス人男性が22日、地元ラジオに出演し、生き延びられたことは「幸運」だったと語った。

 ヨアン・ギャレランさん(29)は北部特別地域(Northern Territory)の町ヌーランボイ(Nhulunbuy)で21日夜、沖に係留してあったボートを取りに泳いでいたところ、全長2メートルのイリエワニに襲われ、頭をかまれて水の中へと引きずり込まれた。

   「幸運だった。もしもっと大きなワニだったら、僕の頭はなくなってただろうね」と、ギャレランさんはオーストラリア放送協会(Australian Broadcasting CorporationABC)ラジオに語った。

   「ボートまであと4~5メートルというところで、石か何かで頭を強く殴られたような感じを受けた。(すぐに)それがワニだとわかったよ」

   「その時こう感じた。生き延びるためには、できるだけ(激しく)動かないといけないって」

   「やつは上からも横からも襲ってきた。首の辺りを狙って水の中に引きずり込もうとしたんだ。だから僕はやつのことを滅多打ちにしたのさ」

 ワニを引きはがすことに成功したギャレランさんは、急いでボートに乗り、そのまま逃げ戻って病院へと搬送された。頭と首、肩をかまれていた。

 北部特別地域警察の広報担当者は「泳いで逃げられたことは極めて幸運。もっと悲惨な結末にもなりかねなかった」と述べた。

 イリエワニは最大で全長7メートルほどまで成長し、体重は1トン以上になることもある。オーストラリアの北部ではよく見かけるワニだ。

 オーストラリアでは1970年代から保護されてきたため、生息個体数は順調に増加しているが、その一方で人との遭遇事例も増加している。

 ギャレランさんは、自分が襲撃された場所では子どもたちもよく遊んでいると述べ、当局者にワニを捕獲すべきだと呼び掛けた。

   「やつのことはどうにかしないと。殺すとか」とギャレランさんはコメントした。(c)AFP