【4月19日 AFP】生命が存在する可能性のある惑星を求めて、米航空宇宙局(NASA)の強力な宇宙望遠鏡「ケプラー(Kepler)」を使い観測を行っていた天文学者チームは18日、これまで見つかった中で最も地球に類似した惑星を発見したと発表した。

 米科学誌サイエンス(Science)で発表された報告によると、太陽に似た恒星「ケプラー62(Kepler-62)」の周りを回っている5惑星のうちの2つが、温度が極端に高くも低くもなく、液体の水が存在する可能性のあるハビタブルゾーン(生命居住可能領域)内にあるという。

 この2惑星は、地球からこと座の方角へ1200光年の距離にある年齢70億年の主星の周りを回っている。ともに地球より少し大きく、誕生は地球より少なくとも20億年前だ。

 NASAのエイムズ研究センター(Ames Research Center)のケプラー計画主任研究者、ウィリアム・ボルッキ(William Borucki)氏は「これら2惑星は、これまで見つかった中で生命が居住可能な可能性が最も高い候補だ」と話している。

 2惑星のうち「ケプラー62e(Kepler-62e)」と名付けられた惑星は、半径が地球の約1.4倍で、表面は温暖で海が広がっている可能性や、雷が発生している可能性もあるという。

 また同氏によると、もう1つの「ケプラー62f(Kepler-62f)」の半径は地球の約1.6倍、公転周期は267日で地球の365日に近い。極冠が存在する可能性や、広大な陸地と大量の液体の水がある可能性があるという。

 これら惑星の表面が岩石なのか液体なのか、生命を維持可能な大気が存在するのかなどはまだ明らかになっていない。チームの報告によると、2惑星の位置と大きさは、これらが「凝縮性化合物でできた固体の惑星で、乾燥した岩石質、または大量の水でできているスーパーアース(巨大地球型惑星)である可能性」を示しているという。

 別の研究では、今回見つかった2惑星のように半径が地球の1.6倍未満の惑星は「岩石質の組成を示唆する密度を持つ」ことが明らかになっている。

 生命が存在できる可能性のある惑星はもう一つ見つかった。ケプラー計画の科学者によると、この「ケプラー69c(Kepler-69c)」はハビタブルゾーンと考えられる領域の端に位置しているというが、小さくて熱い金星のような惑星の可能性があるという。

 天文学者らは、恒星面通過(トランジット)と呼ばれる、惑星が恒星の前を横切る際の「星の減光」を観測してこれら惑星を検出した。

 ノートルダム大学(University of Notre Dame)のジャスティン・クレップ(Justin Crepp)准教授(物理学)は1年ほど前、ケプラー62の近くに小さな点があるのに初めて気づき、発見を裏付けるため、その後数か月にわたってこの惑星系の運動を研究した。

 クレップ氏は「この星に惑星が5つあることが実に助けになった」と話す。「別の事象が1つの惑星のように見えることはあるが、5つがすべて周期的な運動をしているのを見れば、結論はすぐに出る。こうした痕跡を残す別の何かを想像するのは困難だ」

 NASAは2011末、地球から600光年の距離にある惑星「ケプラー22b(Kepler-22b)」が、ハビタブルゾーン内にあることが確認された初の太陽系外惑星となったと発表している。(c)AFP/Kerry Sheridan