【4月11日 AFP】約1億9000万年前の草食恐竜の胚の化石を発掘したという論文が、10日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。恐竜が卵の中でどのように成育していたのかを解き明かす鍵となる発見だ。

 カナダ・トロント大学ミシサガ校(University of Toronto at Mississauga)のロバート・ライス(Robert Reisz)氏らの古生物学者チームは、中国・雲南(Yunnan)省禄豊(Lufeng)県で、20個の恐竜の胚の化石から200個以上の骨を回収した。

 化石はジュラ紀前期に生息していた首の長い草食恐竜で、成長すると体長が約8メートルにもなったルーフェンゴサウルス(Lufengosaurus)のもの。

 ルーフェンゴサウルスの最も長い骨、大腿骨を分析した結果、この恐竜が卵の中で非常に速く成長していたことが分かった。これは、ルーフェンゴサウルスの卵が短期間でふ化していたことを示している。

 研究チームは、筋肉が固い大腿骨の上で伸縮することで、大腿骨の成長に積極的な役割を果たしていたことも突き止めた。

 ライス氏は「これは恐竜が現代の鳥のように、卵の中で動き回っていたことを示唆している。恐竜がこのような動きをしていた証拠が見つかったのは、これが初めてだ」と話している。(c)AFP