【4月8日 AFP】国王フアン・カルロス1世(King Juan Carlos)のゾウ狩りや娘のクリスティーナ王女(Princess Cristina)の夫の公金横領疑惑など王室スキャンダルが続くスペインで7日、国民の過半数が国王を支持しないとする世論調査の結果が発表された。

 中道左派系のエル・パイス(El Pais)紙が行った調査で、国王の職務遂行ぶりについて回答者の53%が「支持しない」と答えた。「支持する」としたのは42%だった。

 調査は3月に実施されたものだが、昨年12月の世論調査では「支持する」が「支持しない」を21ポイント上回っていたのに対し、今回は11ポイント差で逆転し、支持率が低下していることが浮き彫りとなった。

 スペインでは3日、クリスティーナ王女が公金横領をめぐり、司法当局から出廷を命じられた。王室メンバーとして初めてのこととなる。王女の夫で元ハンドボール五輪代表選手のイニャキ・ウルダンガリン(Inaki Urdangarin)氏には公金横領とあっせん収賄の疑いがもたれている。

 フアン・カルロス1世は、1975年に独裁者フランシスコ・フランコ(Francisco Franco)総統が死去した後、スペインが体制移行を果たすために尽力したとして広く尊敬を集めていた。しかし、スペイン経済が深刻な不況に陥り、失業率が過去最高の26%を記録する中、アフリカのボツワナでゾウ狩りを行っていたことが発覚してイメージが失墜。フェリペ皇太子(Crown Prince Felipe)に王位を継承して引退を求める声も挙がった。

 今回の調査で、フェリペ皇太子については「支持する」が61%、「支持しない」が33%だった。(c)AFP