【4月8日 AFP】大勢の熱心な観客を引き寄せる大人気のパンダのつがいを飼育するだけでは飽き足らないフランスの動物園は、パンダの「ふん」まで有効に活用することにした――ふんを再利用してガスや電気を作るというのだ。  中国語で「ぽっちゃり」と「幸せ」を意味する名前のパンダのつがい、「圓仔(Yuan Zi)」と「歓歓(Huan Huan)」は昨年1月、中国から年間約100万ドル(約9700万円)で10年間貸与され、フランス中部サンテニャン(Saint-Aignan)のボーバル(Beauval)動物園にやってきた。  2頭のパンダを含む計4600頭の動物を飼育する同動物園は5日、動物のふんと植物を処理してバイオガスを生成する施設を建設すると発表した。バイオガスはその後、熱と電気に変換される。施設の建設費用は230万ユーロ(約2億9000万円)で、2014年春に稼働を開始する見込みだ。  生成するエネルギーの一部は、ゴリラのおりやマナティー(海牛)の水槽を保温したり、冬季にゾウの飼育棟を暖房したりするのに使用する。これにより、ガス料金を4割削減できるという。残りは電気に変換して、仏電力大手のフランス電力(EDF)に売却する予定だ。  パンダは1日に35キロの竹を食べ、約30キロ排便する。まさにこの「ふん」再生計画にうってつけの動物だ。(c)AFP