【4月5日 AFP】イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)前首相(76)が未成年買春の罪などに問われている裁判の公判が開かれている伊ミラノ(Milan)の裁判所前で4日、前首相の相手とされている当時17歳だった女性が、証言する機会が欲しいと訴え抗議を行った。

 この女性は、モロッコ人ダンサーで「ハート泥棒のルビー(Ruby the Heart Stealer)」の名で知られるカリマ・エル・マフルーグ(Karima El Mahroug)さん(20)。ベルルスコーニ前首相の少女買春疑惑の渦中にあるが、「自分は売春婦ではなく、前首相と性的関係を持ったこともない」と主張している。
 
 マフルーグさんは、裁判所前に「嘘と偏見から自分を守りたい」と書いたプラカードを立て、検察官とメディアに「操られていた」と抗議。用意していた次のような文書を読み上げた。

「真に公正な裁きを求めます。メディアが間違っていることを、みなさんに知ってもらいたい。彼らはシルビオ・ベルルスコーニ氏を攻撃するために私を傷つけたのです」

「報道の中で私は、本当の私とは違う描き方をされています。私は売春婦ではありません。お金のためにセックスをしたことはないし、特にベルルスコーニ氏と関係を持ったことなどないとずっと否定してきました」

「17歳の時にはベルルスコーニ氏がどういう人物なのかも、ほとんど知りませんでした。今は、彼に対する戦争が仕掛けられていたことを理解しています。それは私とは関わりのないことです」

 マフルーグさんはベルルスコーニ氏の裁判で被告側、検察側両方の証人リストに名前が挙がっていたが、公判には2度出廷せず、今年1月に出廷した際には結局どちらからも証言を求められなかった。裁判は警察が以前エル・マフルーグさんから聴取した内容に依拠している。判決は数週間以内に言い渡される見込みだ。(c)AFP