【3月22日 AFP】チリ南部の海岸に今週、数百万匹の小エビが打ち上げられ、砂浜を約3キロメートルにわたって真っ赤に染めている。

 大量の小エビが打ち上げられたのは、首都サンティアゴ(Santiago)から南におよそ500キロにあるコロネル(Coronel)の海岸。地元漁業組合のフアン・グティエレス(Juan Gutierrez)組合長が21日にAFPに語ったところによると、異変が起こり始めたのは今週初めで、沖合いの海面に突然、小エビが集まってできた巨大な「赤いしみ」が現れたという。

 19日までに小エビの大群は陸地に向かって移動し、海岸に打ち上げられ始めた。グティエレス組合長は「39年間、漁師をしているが、こんな光景は初めて見た」とショックを隠せない様子で語った。現在、海岸近くには別の小エビの群れが確認されており、再び一斉に浜に打ち上げられる可能性がある。

 これまでのところ、小エビが大量発生した原因は不明で、市当局が調査を行っている。海流の変化を指摘する漁師もいるが、近隣の石炭火力発電所が冷却水として海水を使っていることを問題視する人もいる。(c)AFP