【3月22日 AFP】シリア首都ダマスカス(Damascus)中心部のモスク(イスラム礼拝所)内部で21日、自爆攻撃があり、政権支持派の高位聖職者を含む42人が死亡、84人が負傷した。シリア保健省が発表した。

 死亡したムハンマド・ブーティ(Mohamed al-Bouti)師はバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権を支持するスンニ派聖職者の中では最も権威のある人物。アサド政権は主に少数派のアラウィ(Alawite)派から構成されており、スンニ派のイスラム教徒らの多くは反体制派を支持している。アサド政権がブーティ師から支持を得られていたことは、政権がシリア国民全体を代表しているという主張のよりどころとなっていた。このため、ブーティ師殺害は政権側にとって大きな打撃になる。

 一方、シリア反体制派の統一組織「シリア国民連合(Syrian National Coalition)」のアフマド・モアズ・ハティブ(Ahmed Moaz al-Khatib)代表はAFPの電話取材に対し、ブーティ師殺害は「犯罪」に他ならないと非難した上で、政権側の攻撃への関与が疑われると語った。(c)AFP