【3月21日 AFP】海洋研究開発機構(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)と東京大学(University of Tokyo)の研究チームは21日、小笠原諸島・南鳥島(東京都)沖の太平洋の海底で、高濃度でレアアース(希土類)が含まれる堆積物(レアアース泥)を発見したと発表した。島周辺の水深5800メートルから採取された堆積物の試料を分析した結果、高濃度のレアアース泥が確認されたという。

 レアアースの中国依存から脱却したい日本にとって、高濃度レアアース泥の発見は重要だ。レアアースはハイテク製品の製造に不可欠だが、日本では現在、世界のレアアースの約90%を供給する中国からの輸入に頼っている。このため日本メーカーは、日中関係が緊張を増すと中国政府が輸出を制限すると不満を訴えていた。

 研究チームでは、南鳥島周辺の海底には日本の使用量の220~230年分に相当する約680万トンのレアアースが存在するとみている。報道によると、中国に埋蔵されているレアアースの最高30倍という高濃度の可能性があるが、水深や環境条件など技術・コスト面で課題が残ると指摘する専門家もいる。

 チームは今後さらにレアアース資源の分布などについて調査を続けていくという。(c)AFP