【3月24日 Relaxnews】地中海料理に不可欠な素材、オリーブオイルが心臓の健康に良いことはすでに有名だ。しかし新しい研究によると、さらに驚くべき利点がありそうだ。低脂肪食品や他の天然油脂と異なり、オリーブオイルによって食後の満腹感が調節され、食間のおやつを取らなくても良くなるかもしれない。

 ミュンヘン工科大学(Technische Universität München、TUM)とウィーン大学(University of Vienna)の研究チームは、ラード、バター、菜種油、オリーブオイルの4種類の食用油脂を調査した。

 研究の参加者は3ヶ月間、毎日、通常の食事の補助食として、4油脂のいずれかを使用した低脂肪濃縮ヨーグルト500グラムを食べた。すると「最大の満腹感が得られたのはオリーブオイルだった」 という。

 TUMのPeter Schieberle主任研究員は「オリーブオイルを与えられたグループは、満腹ホルモンであるセロトニンの血中濃度が高い値を示した。主観的な面について言えば、参加者たちはまた、オリーブオイル入りヨーグルトで高い満腹感が得られたと報告した」と述べている。

 実験期間中、このグループのメンバーの体脂肪率や体重は増加しなかった。

 研究ではまた、オリーブオイルの香りが、満腹感を感じさせる役割を担っていることも明らかになった。実験ではスペイン、ギリシャ、イタリア、オーストラリア産のオリーブオイルを使用したが、イタリア産のオイルに二つの香り成分──ヘキサナール(Hexanal)とE2-ヘキサナール(E2-Hexanal)──が多く含まれていることが分かった。

 Schieberle氏は「今回の研究結果は、香りで満腹感を調節できることを示している。これによって満腹感がありながら、より効果的な低脂肪食品の開発の道が開けることを期待する」と述べた。(c)Relaxnews/AFPBB News