【3月21日 AFP】 はしかの機内感染は、患者から離れた席でも十分あり得ることがオーストラリアの研究で明らかになった。

 首都キャンベラ(Canberra)で同国の感染症専門団体が開いた年次科学会議で20日に発表された新たな研究では、2007年1月から2011年6月まで機内感染が疑われるとして当局に通知された事例を調査。

 機内感染した45人中20人が降機後に発症した2次感染者であり、2次感染は49便中7便で確認された。このうち、最初に発見された患者である「発端患者」の席から前後2列以内に座っていた人が45%を占め、残る55%はそれ以外の席に着席していた。55%の人は乗客の機内移動やチェックイン時の行列で感染した可能性もある。

 オーストラリアでは感染者の前後2列以内に座っていた人に連絡をとることになっている。この研究を行った専門家は、はしかが根絶されたオーストラリアでは機内感染の確率は低いが、現在の対応では2次感染者の約半数を見逃すことになるため、当局は別の対応を考える必要があると述べた。(c)AFP