【3月20日 AFP】わずか3ドル(約285円)のお得な買い物が、幸運なある人に思いがけない高額収入をもたらした――米ニューヨーク(New York)の競売大手サザビーズ(Sotheby's)で19日に行われたオークションに出品された中国製の碗に、223万ドル(約2億1000万円)の値が付いたのだ。

 精巧に作られ、釉薬がかけられた小さな白い碗は、およそ1000年前、中国・宋代(960~1279)の「定窯(ていよう)」の白磁の碗であることが分かった。

 同じ時代に作られたものとして確認されている同様の碗は、英国の大英博物館(British Museum)に60年以上前から展示されているものが1つあるだけだ。

 この出品者は、2007年に露店で購入したこの碗を自宅のリビングルームに飾っていたが、価値がどれほどのものか知りたくなり、専門家に鑑定評価を依頼したという。

 サザビーズは競売前、この碗の落札価格を20~30万ドル(約1900~2850万円)と予想していた。しかし、珍しい碗の出品に入札者が相次いだことから価格が吊り上げられ、最終的にはロンドンの著名なアートディーラー、ジュゼッペ・エスケナージ(Giuseppe Eshenazi)氏が競り落とした。(c)AFP