【3月20日 AFP】マリでフランス人の人質が処刑されたと、イスラム過激派組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(Al-Qaeda in the Islamic MaghrebAQIM)」の広報担当を名乗る人物が19日夜、モーリタニアの民間通信社、ヌアクショット通信(Agence Nouakchott d'InformationANI)通信に語った。

 処刑されたとされるのは、2011年11月に誘拐されたフィリップ・ベルドン(Philippe Verdon)さん。フランス外務省高官によると、現在、事実確認を行っているところで、AQIMの広報担当を名乗る人物の情報が信頼できるものかどうかは「現段階では分からない」という。

 AQIM広報担当のAl-Qairawaniと名乗る人物はANI通信に「スパイ」とみなされたベルドンさんは「マリ北部へのフランスの軍事介入への対応として3月10日に」処刑されたと語るとともに、フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領には他のフランス人の人質らの生命に対する責任があると警告した。

 ベルドンさんは2011年11月24日夜、Serge Lazarevicさんとともに誘拐された。2人の家族によれば、2人は仕事の出張でマリを訪れており、マリ北東部のホンボリ(Hombori)のホテルで誘拐されたという。

 フランス政府は1月11日、マリ北部を2012年4月から掌握した武装組織が同国首都バマコ(Bamako)へ南進するのを阻止するため、マリに軍部隊を投入した。現在はマリに軍兵士4000人以上を派遣。うち1200人は北東部に配備され、同地域からイスラム武装集団の大半を追放した後、掃討作戦を続けている。ガオ(Gao)など一部地域では今も抵抗が続いており、目撃者によるとイスラム過激派の逃走後も自爆攻撃や散発的な攻撃が起きている。(c)AFP