【3月18日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ(Abu Dhabi)で17日、集光型太陽熱発電(CSP)としては世界最大となる発電所「シャムス1(Shams 1)」が操業を開始した。

 アブダビ市から南西に約120キロの砂漠地帯に6億ドル(約570億円)を投じて建設された「シャムス1」の発電規模は100メガワットで、2万世帯に電力を供給する計画だ。開発プロジェクトは、アブダビの政府系再生可能エネルギー企業、マスダール(Masdar)が中心になって手がけた。アブダビ首長国では、2020年までに電力需要の7%を再生可能エネルギーで賄う計画を掲げている。
 
 世界の太陽光発電所の多くは光起電力技術のものだが、「シャムス1」は放物面鏡で太陽光を集める方式を用いており、サッカーコート285面分に相当する敷地に放物面鏡が放射状に広がる。集光した熱でタービンを回して発電する仕組みだ。年間で二酸化炭素17万5000トン(車両1万5000台分の排出ガスに相当)が削減できるという。

 マスダールは世界のCSP発電所の10%を開発。さらにクリーンエネルギー開発の初期段階にある湾岸地域において、再生可能エネルギープロジェクトの68%をマスダールが手掛けている。(c)AFP/Ali Khalil