【3月17日 AFP】世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2013)は16日、カナダ・オンタリオ(Ontario)州ロンドン(London)のバドワイザー・ガーデンズ(Budweiser Gardens)で女子シングル・フリースケーティング(FS)が行われ、韓国の金妍児(Yu-Na Kim、キム・ヨナ)が合計218.31点で優勝を飾った。

 バンクーバー冬季五輪金メダリストの金妍児はFSでも148.3点を記録し、ショートプログラム(SP)に続いて首位に立ち、2014年に行われるソチ冬季五輪での連覇に名乗りを上げた。

 2年ぶりにISU主催大会に出場した金妍児だが、FSでも絵に描いたように完璧な演技を披露し、鮮烈な印象を残した。冒頭の3回転ルッツ、3回転トーループを成功させると、『レ・ミゼラブル(Les Miserables)』を見事に演じ、観客が立ち上がって歓声を送る中、最後のスピンを決めた。

 浅田真央(Mao Asada)は冒頭に跳んだトレードマークのトリプルアクセルが両足着氷となったものの、『白鳥の湖(Swan Lake)』を優雅に演じて134.37点を記録し、合計196.47点でSPの6位から3位へ順位を上げた。

 今季初めて国際スケート連盟(International Skating UnionISU)主催大会での優勝を逃した浅田は、通訳を介して「今日は練習でやっていることをすべて出したかった。トリプルアクセルと3回転、3回転のコンビネーションを失敗したのは本当に残念だったけど、すぐに気持ちを切り替えて、後半はプログラムを楽しめた」とコメントした。

 前回大会(ISU World Figure Skating Championships 2012)を制したイタリアのカロリーナ・コストナー(Carolina Kostner)は合計197.80点を記録し、11度目の世界選手権で2位に入った。

 スタート位置に呼ばれた時点で鼻血が出るアクシデントに見舞われたコストナーだったが、プログラム中も氷に血のしずくを落としながら強い意志で滑りきり、最後の転倒を含めて大きなミスは2つあったものの、『ボレロ(Bolero)』に乗せた演技で観客を魅了した。

 村上佳菜子(Kanako Murakami)は合計189.73点でわずかに表彰台には届かなかったものの、前回大会の5位から1つ順位を上げて4位に入った。鈴木明子(Akiko Suzuki)は合計164.59点で12位となった。

 各選手は今大会、ソチ五輪でのメダル獲得へ向けて自らの地位の確立を目指した一方で、国ごとの五輪の出場枠も争った。この日の種目では、女子シングルでは日本と韓国、米国が最大の3枠を獲得し、アイスダンスでは米国、カナダ、ロシアが同3枠を獲得した。(c)AFP/Laurie Nealin