【3月17日 AFP】アフリカ南部のジンバブエで16日、新しい憲法案の是非を問う国民投票が行われた。憲法案が承認されれば、ロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領(89)の権限が縮小され、政治的暴力に苦しめられてきたこの国に、総選挙実施への道が開かれることになる。

 投票はすでに締め切られ、開票作業が行われている。憲法案には、大統領任期の限定のほか、議会権限の強化、大統領選の実施などが明記されており、有権者らはこれらを支持するとみられる。憲法草案の策定は、国際的な支援を受けて進められているジンバブエの国家運営を軌道に乗せるための計画の一部。投票結果は、5日以内に判明する見通しだ。

 ムガベ大統領は1980年の独立以来、一貫して政権を握ってきた。過去の選挙は結果が論争を呼んだり、暴力に発展することも多かったほか、ハイパーインフレによって経済の破綻を引き起こしたが、大統領が退陣の意思を示すことはなかった。

 憲法案はムガベ大統領が推進するジンバブエ国民による土地の所有を明記しており、大統領は草案を支持している。また、条項は過去にさかのぼって適用されるものではないため、大統領に再選されればムガベ氏の任期はその時点から10年間となる。

 ムガベ大統領は自らも16日に1票を投じ、国民に対し平和的に投票を行うよう求めた。しかしその大統領自身は、ジンバブエに混乱を招いたとして、多くの国民からの非難を受けている。(c)AFP/Susan NJANJI-MATETAKUFA