【3月16日 AFP】欧州合同原子核研究所(European Organisation for Nuclear ResearchCERN)は14日、昨年発見された素粒子が、万物に質量を与えるとされる「ヒッグス粒子(Higgs boson)」であることを「強く示唆する」新たなデータが得られたと発表した。

 CERNが持つ世界最大の粒子加速器「大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron ColliderLHC)」の実験データを用いて素粒子の2つの特性を解析した結果が、昨年の発見をヒッグス粒子とする複数の理論と整合性が取れるものだったという。

 CERNが発表した声明によると、この2つの特性は「スピン」と「パリティ」と呼ばれるもので、新たな実験データにより得られた新粒子の特性が、理論上でヒッグス粒子が持つとされる特性と一致した。CERNは「この結果と、新粒子と他の粒子との相互作用の観測結果を併せて判断すると、新粒子がヒッグス粒子であるという事実が強く示唆される」と述べている。

 だがこの新粒子がヒッグス粒子なのか、もしくは別の種類の粒子なのかを確実に判別するには、さらなるデータ解析が必要になる。(c)AFP