【3月13日 AFP】米ニューヨーク(New York)の連邦地裁の陪審は12日、若い女性を誘拐し体を食べる計画を立てたとして逮捕・起訴されたニューヨーク市警の警察官、ジルベルト・バーレ(Gilberto Valle)被告(28)に対し、有罪の評決を下した。量刑は6月19日に言い渡される。

 バーレ被告は、過激な性的空想サイトを訪れ、女性を誘拐し拷問・殺害後その体を食べる「計画」を仲間の死体愛好家らと共有していた。事件はメディアにより「人食い警官」事件として大きく報道されるとともに、「言論の自由」についての疑問を投げかけている。実際の被害者は出ておらず、弁護側は被告がおぞましい空想をしていただけだと主張している。

 2月25日に始まった公判では、バーレ被告の別居中の妻が生々しい証言を提供。また、米連邦捜査局(FBI)は被告のパソコンからレイプや拷問、食人などに関するダウンロードデータが多数見つかったことを明らかにした。被告は誘拐する対象者のリストも作っていたが、その中には妻や友人、知人も含まれていた。

 被告側弁護人は、バーレ被告の「計画」は空想にすぎないと主張。一方、検察側は被告の計画は「一線を越え」て現実世界での計画実行を企てており、被害者がいなくても単なる空想とはいえないと主張していた。

 プリート・バララ(Preet Bharara)連邦検事は、バーレ被告の計画が詳細で具体的な点を陪審団が重視し、有罪評決を下したと説明。「インターネットのフォーラムは発想を自由に交換できる場所だが、だからといって犯罪を計画したり、その計画を実行に移したりしても責任が免除されるわけではない」と述べた。

 被告には終身刑が言い渡される可能性もある。(c)AFP