【3月8日 AFP】「穴あきドル(Holey Dollar)」の通称で知られるオーストラリア初の硬貨の1枚が6日、豪メルボルン(Melbourne)で競売にかけられ、硬貨の落札額としては世界最高となる49万5000豪ドル(約4800万円)で個人コレクターに落札された。

 この「穴あきドル」は1812年、英国の流刑植民地だったニューサウスウェールズ(New South Wales)での通貨不足を解消するため、ラックラン・マッコーリー(Lachlan Macquarie)植民地総督がスペインドル銀貨4万枚から作らせたうちの1枚だ。

 マッコーリー総督は、貨幣偽造で有罪となってニュージーランドに流刑されたウィリアム・ヘンシャル(William Henshall)という人物の手を借り、1枚1枚のコインの中央に穴をあけた。輸入品と引き換えに硬貨が植民地外に流出しないようにする措置だった。完成した硬貨は1813年、オーストラリア初の硬貨として発行された。(c)AFP