【3月7日 Relaxnews】「タトゥー」が幅広い人気を集めているが、そのインクには発疹や感染症、炎症を引き起こす危険性があり、またインクの化学成分が長期的に健康にどのような影響を及ぼすかについては、医師らもまだはっきり把握していない。

「タトゥーを入れようという人は、リスクがあることを知っておくこと。そして問題が起きたら、すべてタトゥー・アーティストに伝え、正規の皮膚科で適切な診断と治療を受けることが、特に重要」と米ワシントン大学(University of Washington)の皮膚科臨床助教、ミチ・シノハラ(Michi Shinohara)医師は語る。

 近年の研究で、黒いインクに含まれる化学物質ベンゾピレンが動物実験で皮膚がんを発症させることが分かっている。また、タトゥーを施した部分に悪性黒色腫(メラノーマ)が見つかることもある。新しいタトゥーインクが皮膚や体とどのような反応を起こすのか、分かっていない点も多いと、シノハラ氏は警告する。

 症状としてはタトゥー顔料へのアレルギー反応が最も一般的だが、殺菌消毒が十分でないタトゥー施術と梅毒やB型肝炎、C型肝炎の感染との間に関連性があることも、シノハラ氏は指摘する。

 シノハラ氏は、タトゥーを入れる前のアドバイスをいくつか挙げた。

・ タトゥーアーティストがあなたの国や自治体が定める免許を持っているかどうか確かめる。プロのタトゥーアーティストの元に行くこと。使用するニードルはすべて減菌パックに入った使い捨てニードルであること、アーティストが手を洗い滅菌グローブをつけていることを確かめる。

・ 何か問題が発生し、1~2週間以上続くようであれば、皮膚科で検査を受ける。

・ 乾癬(かんせん)や湿疹といった慢性症状がある場合や、ケロイドを起こしやすい体質の場合には、タトゥーを入れる前に皮膚科に相談する。

・ ほくろに何らかの変化や問題が発生したときに発見されにくくなるので、ほくろの上にはタトゥーを入れない。

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