【3月6日 AFP】4日に旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)の死去から60年を迎えたロシアでは、スターリンを数百万人の大量虐殺を行った暴君とみるか、第2次世界大戦後のロシアを大国に押し上げた救世主とみるかで国民の意見が二分している。

 独立系調査機関レバダ・センター(Levada Center)が今月行った世論調査では、スターリンが果たした役割を肯定的に評価したのは49%、否定的に評価したのは32%だった。1953年3月5日のスターリンの死を、恐怖と粛清の終わり、そして冤罪(えんざい)で有罪にされた多くの人々が強制収容所から解放された日と位置づけた人は55%。一方、この日を偉大な指導者を失った日とした人は18%に過ぎなかった。

  同じ世論調査で、第2次世界大戦で激戦が繰り広げられたロシア西部のボルゴグラード(Volgograd)の都市名を、ソ連時代のスターリングラード(Stalingrad)に戻そうというロシア当局の提案に対しては、55%が反対していることがわかった。

 2008~2012年に大統領を務めたドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)首相は、スターリンの遺産を否定的に捉え、脱スターリン路線を進めようとさえした。一方ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領はスターリンについて自身の評価を明らかにすることを避けている。(c)AFP/Olga Rotenberg