【3月6日 AFP】アメリカンコミックのヒーロー、バットマン(Batman)の姿をして英イングランド北部の警察署に容疑者をつき出した男性の正体は中華料理店の配達員だったことが5日、明らかになった。

 スタン・ウォービー(Stan Worby)さん(39)は、おふざけのつもりだったことが世界中で報じられたことに「仰天している」と語るとともに、警察署に連れて行った人物は自分の友人だと明かした。

 ウォービーさんは先月25日未明、イングランド北部ブラッドフォード(Bradford)の警察署にバットマンの姿で現れ、「君たちのためにこいつを捕まえてきた」と言いながら容疑者の男を警察に引き渡した。この様子を捉えた監視カメラの映像が今月4日に公開されると、バットマンの正体をめぐってさまざまな臆測が飛び交っていた。

 ダニー・フレイン(Danny Frayne)容疑者(27)はその後、盗品所持や詐欺関連の罪で起訴され、8日に出廷する予定。ウォービーさんによると、フレイン被告は自分の友人で、自らの意志で出頭を決めたという。

 ウォービーさんは英テレビ局ITVの取材に「見ての通り、あれはジョークだった」と語った。また、メディアが自分のことをバットマンの「ぽっちゃり版」と呼んだことは心外だと述べ、映像で太って見えるのは、寒くないようコスチュームの下にトラックスーツを着ていたからだと説明した。「これを着てるだけじゃ薄すぎるんだ」(ウォービーさん)

 ウォービーさんは2月24日にロンドン(London)でサッカーの試合を──バットマン姿で──観戦していた。この時に、友人の男から自分を警察に連れて行ってほしいと頼まれたという。ウォービーさんは「家に帰ったらすぐ、ブラッドフォードの警察署に連れて行くと伝えた」と英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)に語った。

「ダニーは親しい友人で、15年ほどのつきあいがあった。私はもしかしたら今後も犯罪と闘い続けるかもしれないよ」

(c)AFP