【3月5日 AFP】ノルウェー・ノーベル研究所(Norwegian Nobel Institute)は4日、2013年のノーベル平和賞候補に過去最多の259の個人・団体が推薦されたと発表した。このうち50は団体だという。パキスタンで女性が教育を受ける権利を訴え、タリバン勢力に銃撃されて頭に重傷を負った活動家マララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さん(15)やビル・クリントン(Bill Clinton)元米大統領が候補に挙がっている。

 候補者のリストは50年間、公にしない規則があり、候補者・団体の名前は一切公表されていない。ただ、これまでの授賞者や各国の議員と政府関係者、一部の大学教授や国際機関のメンバーなど、候補を指名する資格のある人が、自身が推薦した候補の名前を明らかにすることは認められている。

 マララさんについては一部専門家も有力候補として注目している。オスロ国際平和研究所(Peace Research Institute of Oslo)のクリスティアン・ベルク・ハープウィケン(Kristian Berg Harpviken)所長は「彼女はさまざまな主義──少女や女性の権利、教育、若者、過激主義との戦い──を具体化する候補だ」と述べた。

 一方で、マララさんの若さがマイナスに働くと考える人々もいる。ノーベル平和賞が専門の歴史学者、Atle Sveen氏は「彼女にとってあまりに大きな負担になる。彼女に栄誉を授ける理由は分かりやすいが、彼女はあまりに若過ぎる」と話す。同氏は、11年のノーベル平和賞候補に挙がっていたチュニジアのブロガー、リーナ・ベンムヘンニ(Linna Ben Mhenni)さん(当時27)が、候補として取り沙汰されて精神的にほとんど参ってしまった例を挙げ、マララさんが狂信的なイスラム教徒から一層狙われる恐れもあると述べた。 (c)AFP