【3月2日 AFP】自身がツール・ド・フランス(Tour de France)で挙げた7度の優勝全てが禁止薬物使用の成果であったと告白し、すでに2件の訴訟を起こされているランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏が、更に2件の訴訟に直面することが1日明らかとなった。

 米・ネブラスカ(Nebraska)州にあるアクセプタンス・インシュアランス・カンパニー社(Acceptance Insurance Company)社はアームストロング氏がツール・ド・フランスで筋肉増強剤を使用していたことを隠していたのは詐欺であり、同氏の嘘によって支払われた報酬は無効であると主張。テキサス(Texas)州オースチン(Austin)にあるトラビス郡裁判所(Travis County Court)で、1999~2001年のツール・ド・フランス優勝時に支払った報酬の返還請求を行った。

 また、28日にはアームストロング氏と栄養補助剤の製造メーカーのFRS社が虚偽広告をしていたとして、ロサンゼルスの連邦裁判所でも集団訴訟を起こされた。

 同氏はこれに先立ち、ツール・ド・フランス等の賞金、1200万ドル(約11億2000万円)の返還請求で訴えられているほか、9000万ドル(約84億2000万円)以上の賠償金の支払いを命じられる可能性がある訴訟を米国政府などから起こされている。

 アームストロング氏は、所属していた「USポスタルサービス(U.S. Postal Service、USPS)」で複雑なドーピングプログラムの中心を担っていたとして、2012年10月に米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping AgencyUSADA)から、1998年8月以降の全記録の剥奪と、自転車競技からの永久追放処分を受けた。

 また、同氏は1月に米女性司会者のオプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)氏のトーク番組で、自己輸血ドーピングと、エリスロポエチン(Erythropoietin、EPO)と男性ホルモンのテストステロン(Testosterone)の摂取を組み合わせて行っていたと告白した。(c)AFP