【2月28日 AFP】欧州歴訪中のジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官は27日、パリ(Paris)での記者会見をフランス語でこなし、フランス人記者たちを喜ばせた。

 ケリー長官のフランス語は、毎夏の休みを仏ブルターニュ(Brittany)地方にある母方の家族の別荘で過ごした少年時代に身につけたものだ。

 ローラン・ファビウス(Laurent Fabius)仏外相との共同記者会見で、ケリー長官はフランス語で、「私たちはたった今、素晴らしいフランス料理のランチを終えたところです。アメリカ人は何百年も前からフランス料理に魅了されてきたんですよ」と話し始めた。「ローラン(外相)と食事をご一緒できることは非常に光栄なことです。皆さんご存知のように、フランスは古くから米国の同盟国なのですから」

 さらにケリー長官は「ここからは英語で話しますよ。さもないと母国に帰れなくなりますからね」と続け、聴衆の笑いを誘った。 

 子供時代をスイスの全寮制学校で過ごしフランス語を流ちょうに話すケリー長官だが、民主党の大統領候補となった2004年の米大統領選では、イラク戦争をめぐりフランスと米国の関係が悪化していたため、フランス語が得意であることが共和党からの攻撃材料とされた。以降も、ケリー長官はフランス語の知識を表に出さないよう努めてきた。

 今月初めに行われた米国務長官に就任して最初の記者会見でも、カナダ人記者からフランス語を披露してほしいと請われながら、「今日はやめておきましょう。おさらいしなくてはいけないから」とかわしている。(c)AFP