【2月28日 AFP】世界初の宇宙観光旅行者で米実業家のデニス・チトー(Dennis Tito)氏(72)は27日、火星を往復する有人宇宙ミッション計画を発表した。打ち上げ予定日は5年以内に設定されている。

 宇宙船には2人が搭乗する。火星への着陸や軌道周回は行わず、接近して通過するのみの予定だという。チトー氏によると、珍しい惑星の配置により、往復には501日間しかかからないという。着陸を行わないことにより、ミッションの危険性が減り、宇宙船の操縦も簡略化することが可能だ。

 火星探査・定住計画を推進する団体「マーズ・ソサイエティー(Mars Society)」のロバート・ズブリン(Robert Zubrin)代表によると、このような火星有人ミッションには10億~20億ドル(約920億~1840億円)の資金が必要とされる。チトー氏が設立した非営利団体「インスピレーション・マーズ(Inspiration Mars)」は、米航空宇宙局(NASA)に資金提供を依頼する予定はなく、「民間の慈善目的の寄付」により資金を集めると説明している。

 チトー氏は2011年、ロシアの宇宙船ソユーズ(Soyuz)に乗り込み国際宇宙ステーション(International Space StationISS)で1週間過ごす権利を購入し、宇宙飛行士以外では史上初めて宇宙を旅した人物となった。(c)AFP