【2月25日 AFP】ジェニファー・ローレンス(Jennifer Lawrence)は24日、デビッド・O・ラッセル(David O. Russell)監督の『世界にひとつのプレイブック(Silver Linings Playbook)』で、若くしてアカデミー賞主演女優賞を射止めたハリウッドスターの1人となった。

■史上3番目の若さでノミネート

 2011年の『ウィンターズ・ボーン(Winter's Bone)』に続く主演女優賞ノミネートだった『世界にひとつの~』では、ブラッドリー・クーパー(Bradley Cooper)演じる男と互いに心に傷を抱えながら恋に落ちる20代女性を演じている。

 ハイスクール時代はチアリーダーだったローレンスは弱冠22歳。アカデミー賞の主演女優賞ノミネートとしては、今年の候補に入っていた『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~(Beasts of the Southern Wild)』のクヮヴェンジャネ・ウォレス(Quvenzhane Wallis、9歳)、2002年『クジラの島の少女(Whale Rider)』のケイシャ・キャッスルヒューズ(Keisha Castle-Hughes、当時12歳)に次いで3番目に若いノミネートだった。

 最近のインタビューではハリウッドの業界にうんざりしている気持ちを「潜在意識ではもう働きたくない。だから、キャリアを棒に振ってしまうかも。ハリウッドを取り巻くでたらめや、お高い感じもよく分かってるし、みんな、がんを治しているとでも思ってるのかしら。見るたびに気分が悪くなるわ」と露骨に語り「私は全く反対の方向に行ってて、シリーズものを2つ掛け持ちしているときに『妊娠しました』とか言って辞めちゃうかもしれないわね」とまで述べた。

■通学を止め俳優業に専念

 米ケンタッキー(entucky)州ルイビル(Louisville)生まれ。少女時代はチアリーダー、陸上ホッケー、ソフトボール、モデル業に忙しかったようだが、映画データベースIMDBのプロフィールによれば「どれも夢中にはなれなかった」らしい。
 
 14歳だった2004年の夏、ニューヨーク(New York)で初見読みのオーディションを受けてプロデューサーらをあっと言わせ、コマーシャルや映画の小さな役が舞い込むようになった。米MTVテレビのリアリティー・シリーズ「マイ・スーパー・スイート・シックスティーン(My Super Sweet 16)」にも出演していた。このニューヨークでのデビューからまもなく一家は、娘がさらにキャリアを積めるよう2人の兄を含む全員でロサンゼルスに引っ越した。俳優業に専念するためローレンスは2年早く通学を止めた。

 テレビドラマにいくつか出演した後、映画では2008年の『Garden Party』と『The Poker House』で初めて出演者として名前が入ったが、ブレークしたのは2010年『ウィンターズ・ボーン(Winter's Bone)』のリー・ドリー役で、映画評論家らから大絶賛を浴びた。

 2011年には『X-MEN: ファースト・ジェネレーション(X-Men: First Class)』に出演。さらにベストセラー小説の映画化である『ハンガー・ゲーム』(The Hunger Games)』で重要キャラクターに起用された。暗黒郷となった近未来で「ハンガー・ゲーム」と呼ばれる殺し合いゲームに出場させられる主役のカットニスだ。ローレンスはこの演技で10代若者たちのスターとなった。今年はこの『ハンガー・ゲーム』の2作目が公開される予定だ。

「女優には自分で自分を築きあげていく女優と、他人によって築かれる女優がいる。わたしは自分で自分を築きたい」と述べたこともあるローレンス。将来については「いつか監督をしてみたい。でも、10年前にはここにこうしていることなんて想像もしなかったんだから分からない。10年後にはロデオに乗ってるかもしれないわね」と答えている。(c)AFP