【2月25日 AFP】米ホワイトハウスは24日、3月1日に迫った歳出の強制削減が発動した場合の州ごとの影響を報告書にまとめ公表した。削減額の規模は約850億ドル(約8兆円)に上る。政府高官らは、期限までにホワイトハウスと議会が合意に達することができなければ、歳出削減が自動的に発動し、国民生活のあらゆる側面に影響を及ぼす可能性があると指摘している。

 報告書では、一例として空港での作業員削減について触れ、利用者の待ち時間が大幅に増えると指摘。入国警備の人員が減ることで、国外からの入国者審査の時間が長くなるためという。主要空港では待ち時間が30~50%増加し、混雑する空港では待ち時間が最長4時間を上回る可能性がある。

 空港でのセキュリティー・チェックも、作業員の削減により長時間化する可能性がある。報告書によると、米運輸保安局(Transportation Security AdministrationTSA)は、「3月に運輸保安局員の新規雇用を停止せざるをえなくなり、また残業をなくすだけでなく、局員5万人に最高で7日の自宅待機を命じることになる」という。

 米連邦航空局(US Federal Aviation AdministrationFAA)も、約6億ドル(約560億円)の歳出削減を余儀なくされる。これは、航空管制官や技術者を含む4万7000人近い従業員の大半が一時的に解雇されることを意味する。

 これらの職員の解雇により、「残ったスタッフで安全に管理できるレベルにまで、航空交通量を削減」せざるを得なくなり、結果、主要都市の航空交通が鈍化するほか、米国全土で夏の旅行シーズンに遅延や決行が発生することになると報告書は述べている。(c)AFP