【2月21日 AFP】財政難に苦しむ米郵政公社(United States Postal ServiceUSPS)が、ファッション業界に進出すると発表した。衣料品やアクセサリー類をブランド展開する計画で、既に米オハイオ(Ohio)州のアパレル企業ワコナー・グループ(Wahconah Group)とライセンス契約を締結したという。

 USPSのスティーブン・ミルズ(Steven Mills)ライセンス契約担当マネージャーは、19日に発表した声明で「ライセンス契約によって、USPSは最先端の機能性ファッションを提供できるようになる」と説明。電子機器を衣料品に組み込む「スマート・アパレル」技術を使った「Rain Heat & Snow」シリーズを主力ブランドに据える方針を表明した。

 ワコナーが米ニューヨーク(New York)のファッション・エリアにショールームを開き、ファッション業界に広くUSPSブランド製品を紹介していくという。当初は紳士用品のみを展開するが、長期的には女性向けも視野に入れ、最終的には「高級百貨店や専門店」での取り扱いを目指しているという。

 世界中の郵便物の約4割を取り扱うUSPSだが、競争の激化に直面する一方で「面倒で不当な義務負担」と同社が主張する退職年金の積み立てにも苦しめられ、2012年度決算は損失額が前年比およそ3倍となる159億ドル(約1.5兆円)の最終赤字を出した。コスト削減策として今月、普通郵便の土曜日の配達を中止すると発表したばかり。(c)AFP