【2月18日 AFP】ロシア科学アカデミー(Russian Academy of Sciences)は18日、同国ウラル(Ural)地方チェリャビンスク(Chelyabinsk)州上空で15日に爆発・落下した隕石(いんせき)の一部を発見したと発表した。

 上空数十キロメートルで爆発した隕石は、多数の小さな破片となって広範囲に飛散したと考えられている。隕石落下によって生じた衝撃波のエネルギーは広島型原爆約30個分に相当するとみられ、これまでに1200人以上が負傷、住宅数千戸に損壊の被害が出ている。

 隕石の一部が落下したとみられるチェバルクリ湖(Lake Chebarkul)ではダイバーが水中に潜って隕石を探したが、当初の発表では何も発見できなかったとされた。しかし国営ロシア通信(RIA Novosti)によると、ロシア科学アカデミー(Russian Academy of Sciences)の研究者らが17日、湖で見つかった幾つかの奇妙な石片について化学検査を行い、宇宙空間から飛来したものと断定したという。

 ロシア通信は、ロシア科学アカデミー委員のビクトル・グロホフスキー(Viktor Grokhovsky)氏の17日夜の発言として「チェバルクリ湖の捜索で見つかった物質のかけらは、確かに隕石の一部だと確認した」と伝えた。

 グロホフスキー氏が所属するウラル連邦大学(Urals Federal University)はホームページに、指に挟まれた黒い小さな石片の写真とともに、「落下した隕石は一般的な球粒隕石(コンドライト)だ」との声明を掲載。隕石は湖にちなみ「チェバルクリ隕石(Meteorite Chebarkul)」と命名されるだろうとの見方を示した。

 グロホフスキー氏によると、湖で見つかった石片には10%の鉄、かんらん石、亜硫酸塩が含まれていたという。この石片は、湖にできた穴からさほど離れていない雪の上で見つかった。他に50個ほど同様の石が見つかっており、近くにもっと大きな隕石の一部が存在する可能性が高いと同氏は話している。

 ロシア国内のウェブサイトには、「隕石のかけら」だとして石片を最大30万ルーブル(約93万円)で販売する広告が掲載されている。(c)AFP/Dmitry Zaks