【2月15日 AFP】アルゼンチンのピコトルンカド(Pico Truncado)で14日、双子の姉妹を殺害されたエディト・カサス(Edith Casas)さん(22)が犯人として服役中のビクトル・シンゴラニ(Victor Cingolani)受刑者と結婚式を挙げた。

 シンゴラニ受刑者は2010年に当時の交際相手だったファッションモデルのヨアナ・カサス(Johana Casas)さんを殺害した罪で禁錮13年の実刑判決を受け刑に服しているが、無実を訴えている。

 殺害されたヨアナさんはエディトさんの双子の姉妹だが、エディトさんは結婚式を前に「ビクトル(シンゴラニ受刑者)と家庭を築きたい。彼を愛しているし無実と信じているから」と語った。

 エディトさんとシンゴラニ受刑者の結婚式は元々、昨年12月に行われる予定だった。だが2人の結婚に反対していたエディトさんの母親マルセリーナ・オレジャーナ(Marcelina Orellana)さんが娘の精神鑑定を求めたため、挙式は延期されていた。

 だが、エディトさんに精神的な異常は認められず、オレジャーナさんも最終的に娘の結婚を認めたため、14日の挙式に至った。

 この日、裁判所から挙式のための特別外出許可が下りたシンゴラニ受刑者は、刑務官や機動隊員に付き添われて式場に向かったが、2人の結婚式に、エディトさんの親族は誰も参列しなかった。

 2人が式場から外に出ると、20人前後の群衆が新郎のシンゴラニ受刑者に石や生卵を投げつけた。

 エディトさんの母親は2人の結婚を認めたものの、父親のバレンティン・カサス(Valentin Casas)さんは落胆を隠せない。「私にとっては娘は2人とも死んだ。ヨアナは神のもとへ召され、エディトは悪魔のもとへ下った」(c)AFP