【2月15日 AFP】インドネシアのロンボク(Lombok)島で偶然発見されたミミズクは新種だったとする報告書が13日、米オンライン科学誌プロスワン(PLoS ONE)で発表された。インドネシア固有種とみられ、さらなる新種鳥類発見の期待が高まっている。

 羽色が茶と白の新種のミミズクは、ロンボク島中心部にある火山の名前にちなんで「リンジャニコノハズク(Rinjani Scops owl)」と命名された。2003年に別の夜行性鳥類を探していた研究者らによって初めて目撃されたが、これまではインドネシア東部のマルク(Maluku)諸島(別名モルッカ諸島)に生息する近縁種のモルッカコノハズクと間違われていた。

 発見者の1人でスウェーデン自然史博物館のGeorge Sangster氏は「鳥類学者たちは長いこと、現在の鳥類分類法はほぼ完璧だと自画自賛してきた。しかし私たちの発見は、分類学的な調査を250年以上行ってきた現在でも新種の生物を見つけることはできることを示した。鳥類だって例外ではない」と言う。

 Sangster氏がリンジャニコノハズクを発見する数日前、やはりロンボク島で調査を行っていたベン・キング(Ben King)氏もこのミミズクの存在に気づいていた。Sangster氏とキング氏は2人ともヨタカの鳴き声を収集していたが、たまたま収集したミミズクの鳴き声がモルッカコノハズクのものとは全く異なることに気づいた。

 リンジャニコノハズクがロンボク島の固有種であることを確認するためには隣り島のスンバワ(Sumbawa)島での調査が必要だという。

 Sangster氏によれば、この地域で実地調査に臨む鳥類研究者たちは、ロンボク島には固有種は存在しないとの先入観から、概して島での調査を軽視しがちだという。Sangster氏は、1万7000もの島々が連なるインドネシアは「分類学者にとっては宝の山」だとして、さらなる調査の必要性を訴えている。(c)AFP