【2月11日 AFP】豪クイーンズランド(Queensland)州で「タヒチの王子」を自称し、公金を横領して豪勢な生活を送っていた男の偽の王冠などの所持品が3月、競売にかけられることになった。同州当局が11日、明らかにした。

 この男はニュージーランド出身のホヘパ・モレフバーロウ(Hohepa Morehu-Barlow)被告(通称:ジョエル・バーロウ、Joel Barlow)。クイーンズランド州保健当局の幹部だった当時に1600万豪ドル(約15億2500万円)を横領した容疑で逮捕、起訴されており来月、法廷で被告人抗弁が行われる。

 モレフバーロウ被告は、南太平洋の仏領ポリネシアに属するタヒチの王子だと称して、ウォーターフロントの豪華マンションで高級品に囲まれて暮らし、スポーツカーも数台保有していた。全て横領した金で賄っていたものとみられている。この豪邸は先ごろ565万豪ドル(約5億4000万円)で売却された。

 クイーンズランド州のローレンス・スプリングボーグ(Lawrence Springborg)州保健相によると競売は、モレフバーロウ被告が使い込んだ数百万ドルの州費を回収するのが目的。予想落札価格は総額1100万豪ドル(約10億5000万円)に上るとみられ、がんや脳卒中、禁煙、ワクチン接種、先住民アボリジニの健康問題などの施策に充てられることが決まっているという。

 競売会社によれば、3月10日にブリスベーン(Brisbane)で実施される競売には、警察が捜査過程で差し押さえた家具や宝石、電気製品、衣料品、書籍、美術品など1000点あまりが出品される。その中には、偽の王冠やエルメス(Hermes)の鞍(くら)、19世紀の海軍帽、グランドピアノ、9万5000豪ドル(約90万円)相当のテレビ、2万5000豪ドル(約24万円)相当のコニャックのボトル、さまざまなロボットのレプリカなどがあるという。(c)AFP