【2月11日 AFP】米カリフォルニア(California)州で元警察官の男が3人を殺害したうえ、さらなる警察官の殺害を予告し逃走を続けている事件で、ロサンゼルス(Los Angeles)市当局は10日、男の逮捕につながる情報の提供者に100万ドル(約9300万円)の報奨金を支払うと発表した。

 男はロサンゼルス市警察(LAPD)を解雇された海軍予備役、クリストファー・ドーナー(Christopher Dorner)容疑者(33)。ドーナー容疑者は3日、男女2人を殺害し、7日にも警察官2人を襲い1人を殺害したうえ、別の襲撃事件で警官1人を負傷させたとされ、雪に覆われたカリフォルニア山中で大がかりなドーナー容疑者の捜索が続けられている。

 報奨金提供の決定を記者会見で発表したアントニオ・ビヤライゴサ(Antonio Villaraigosa)ロサンゼルス市長は「近隣住民や市民生活の安全や平穏を脅かす者は許さない」と語った。

 ドーナー容疑者は、ロサンゼルス市警の警察官とその家族に対し、勤務中であろうがなかろうが「不正規かつ非対称戦を仕掛ける」との襲撃予告をインターネット上で公開していることから、ロサンゼルス市警は米連邦捜査局(FBI)などの協力を得てドーナー容疑者の襲撃対象となる可能性がある約50人の身辺警護にあたっている。

 ビヤライゴサ市長の記者会見にはロス市警のチャーリー・ベック(Charlie Beck)本部長も同席し、自分が知る限り史上最高額の報奨金だと認めたうえで、「なぜ、そんなに多いのかと尋ねられるかもしれない。だが、この事件は米国内でのテロリズムであることは間違いない」と語った。

 これに先立ち警察は9日、ドーナー容疑者が2007年にロス市警を解雇された経緯の調査を開始した。この時の解雇に対する逆恨みでドーナー容疑者は事件を起こしたとみられる。(c)AFP