【2月7日 AFP】独デュッセルドルフ大学(Duesseldorf University)は5日、アンネッテ・シャバン(Annette Schavan)教育相(57)による33年前の博士論文が盗用あたるとして、同相の博士号を剥奪することを決めた。7か月後に選挙を控えたタイミングでの盗用疑惑に、同教育相ならびにアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相にとっては大きな痛手となりそうだ。

 デュッセルドルフ大学哲学部の学部評議会(定数15)は、「人間と良心」と題されたシャバン教育相の学位論文には、他の論文と一字一句違わない箇所が「かなりの部分」にわたって存在し、引用元を明記せず「体系的で意図的に」他者の文章を利用したと判断。賛成12、反対2、棄権1で同教育相の博士号剥奪を決めた。

 これに対し、現在南アフリカを公式訪問中のシャバン教育相は、声明で「大学側の決定は容認できない」と反論。デュッセルドルフ大学を相手取って訴訟を起こす意向を明らかにした。

 与党キリスト教民主同盟(CDU)に所属するシャバン教育相は、メルケル首相とは親しい友人。総選挙を今年9月に控え、野党はシャバン氏の辞任を要求しているが、メルケル首相は論文盗用疑惑が表面化して以来ずっとシャバン氏を支持する姿勢を変えていない。

 メルケル政権では2011年にもカールテオドル・グッテンベルク(Karl-Theodor zu Guttenberg)国防相(当時)が博士論文の盗用疑惑で博士号を返上したうえ辞任し、「切り貼り男爵」の不名誉な異名を受けた。また同年、ドイツ選出のシルバーナ・コッホメーリン(Silvana Koch-Mehrin)欧州議会議員も2000年の博士論文に盗用があったとして博士号を剥奪されている。(c)AFP/Kate Millar