【2月5日 AFP】欧州警察機関(ユーロポール、Europol)は4日、サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)やW杯予選など680試合で八百長の疑いがあると発表した。

 欧州の5か国で、380試合がシンガポールに拠点を置く八百長組織の標的となったことが捜査で確認され、アフリカやアジア、中南米で行われた300試合についても捜査が行われていると同機構が明かした。また、少なくとも425人の選手や審判、関係者が八百長に関与しているとみられている。

 八百長の行われた試合はトルコやドイツ、スイスのリーグ戦がほとんどで、欧州チャンピオンズリーグで2試合、W杯予選の試合も疑いがもたれている。捜査が継続中であることから、具体的にどの試合で八百長が行われたか公表はされなかったものの、不正があった疑いのある欧州チャンピオンズリーグの試合はイングランドで行われたものであることが明らかになっている。

 また、八百長試合を対象とした賭けで、800万ユーロ(約10億円)の利益が上がったとされている。

 オランダ・ハーグ(The Hague)で記者会見を行ったユーロポールのロブ・ウェインライト(Rob Wainwright)長官は、八百長事件の捜査としては史上最大規模となったという今回の捜査で摘発された違法行為について、「アジアを拠点とする犯罪シンジケートが欧州の犯罪組織と手を組んで行った巧妙な犯行だ。八百長はサッカーにとって脅威。違法収入を挙げるこの行為は、競技のあり方そのものを脅かすもの」とコメントした。(c)AFP