【1月30日 AFP】難解な言語表現で名高い小説『フィネガンズ・ウェイク(Finnegans Wake)』の中国語版が新たに出版され、中国でヒットしている。

 国営新華社(Xinhua)通信によると、12月に発売された初めての中国本土版『フィネガンズ・ウェイク』は初版の8000部を完売した。

 翻訳は上海(Shanghai)の復旦大学(Fudan University)の戴従容(Dai Congrong)氏が8年かけて行った。ジェイムズ・ジョイス(James Joyce)の原作の意識の流れや、独特の言語表現などを中国語で模倣しようと試みている。

 翻訳版を出版した上海人民出版社(Shanghai People's Publishing House)は、『フィネガンズ・ウェイク』のヒットについて「まったく予想していなかった」と述べている。

 書籍には批判の声も上がっている。ある読者はマイクロブログで「フィネガンズ・ウェイクは本のコレクターや評論家のための本で読者のための本じゃない」と述べた。

 また、新華社通信によると、上海交通大学(Shanghai Jiaotong University)のJiang Xiaoyuan教授は「こんな小説を執筆したジョイスは精神疾患だったに違いない」と語った。(c)AFP